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【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

本記事ではTVアニメ「THE ビッグオー」の設定について解説とか考察をしていきます。
ネタバレの配慮などは一切しておりませんのでご注意ください。
またビッグオーという作品自体、製作者が「こう」と確定させていない設定が多いこともご留意ください。

今回は世界が荒廃した原因である40年前の何かについて。


………………………。
いやちょっと待て、前の記事で40年前の何かなんてものはないって言ってたじゃないかって?
何を解説するのかって?

劇中で40年前に起こったとされていたことについて、ですよ。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

40年前のことについて語るのはナンセンスか



先にこれについて触れておくと、製作者インタビューでは

パラダイムシティの住人たちに40年前の記憶がなかったとしても、
記憶がないということ自体に意味があるわけじゃなくて、
世界そのものが40年前の記憶がないという"設定"で作られたものだったという話。

オフィシャルガイド P.98より



つまり40年前の何かを探求しても無意味です。
本当はそんなモノなかったのですから、そういう設定なんだよと受け入れなさいということ。

これについて登場キャラを代表して、Act:13でノーマンがロジャーに応えています。

ロジャー「メガデウスを完璧に整備できることに疑問を持ったことはあるか?」
ノーマン「ロジャー様はメガデウスを完璧に乗りこなせることに疑問を持っていらっしゃいますか?」
ロジャー「あ、いや」
ノーマン「では、私もそういうことです」


つまり舞台演者にとって与えられた役割が実行できることは何ら疑問ではない。
設定は設定として受け入れ行動するのが演者だと。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

40年前に起きていたとされること



では登場人物達が実際に起きたと錯覚してしまっていた『40年前の何か』は何故生まれたのか。

ファーストシーズンにて断片的に触れられていたのは、
過去に巨大なロボットたちの軍勢によるカタストロフが起きていたということ。

セカンドシーズンで更に触れられていたのは、
リヴァイアサン等の巨大ロボット怪獣とメガデウスが戦っていたこと。

それらにより世界は荒廃してしまったのではないかということ。

このことが記されているのはゴードン・ローズウォーターが著したメトロポリス内にてですが、
同時に彼はAct:13でこうも話しています。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは
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すべては偽りの話だ。天変地異により滅びた世界。
そこに跋扈する巨大なロボットたち。人が操る神の力。


ファーストシーズンも最終話だったのでこの謎は一切解明されませんでしたが、
ゴードンの言う通りすべては偽りの話です。

ゴードンはこの世界が誰かにクリエイトされていたことを知っており、
40年前の出来事はなにもないことを知っていたのですからね。
※ゴードンについては他の記事で話しをします。

では何故このような説をメトロポリスに書いたのか。
これについてゴードンは「夢が私に書かせた」と話しています。

ここで考えられる説は二つ。
エンジェルがゴードンを「作り物の過去を記すキャラ」として設定したか、
元々メトロポリスに存在した設定をゴードンの著書としたか。

個人的には考察が面白くなるので後者を採用します。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

元々メトロポリスに書かれていた設定



エンジェルは何らかの理由で創作を行っていたわけですが、
物語の構築に置いて最初から万全のキャラと舞台を用意できる人はいません。

物語を作るなら最初は勧善懲悪で簡単なストーリーの方がやりやすいものです。
そう考えるなら、最初は敵がいて、敵を倒す味方がいて、敵を倒してハイおしまいとするのが簡単です。

その敵というのがリヴァイアサンやベヘモスで、味方がザ・ビッグでしょう。
で、一通り満足したところで新しい作品をはじめるためにリセットします。
これはセカンドシーズンで描写された40年前の何かにビッグヴィヌスが写っているのでそうなのでしょう。

こうして創ってリセット、創ってリセットを繰り返して生まれたのが
我々が視聴したTVアニメ「THEビッグオー」の世界なのだと思います。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

つまりゴードンが書いた40年前の何かとは、
今の舞台世界を作る前にエンジェルが作っていたメトロポリスの内容だということです。

それは設定書でも記憶でもいいのですが、
物語を作る時に初期案というのはどうしても残るものです。

故に何回リセットしたとしてもこの設定は残り続けたのでしょう。
世界の骨組みとして。

【ビッグオー】THE ビッグオー 解説:40年前の何かとは

まとめ:40年前の何かは確かに存在する



まとめると、40年前の何かというのは存在しないものの、
40年前の何かだと思える事柄は以前には確かに存在していたということです。

しかしそれは今を生きる人間にとっては全く関係ないことで、
エンジェルは意識的、無意識どちらにせよゴードンをそれを虚像として語るキャラクターに設定したわけです。

そうしてリセットされてきた世界が
「メガデウス(ザ・ビッグ)が跋扈するカタストロフ」だったり
「ビッグオーのパイロットであるロジャーが死んだ世界」だったり
「40年前に何も起きなくて記憶をなくさなかった世界」だったり。

ロジャーが何故それを知覚できたのかはまた別のお話ですけど。

そんなわけでお次はカタストロフを演出するのに使われた「メガデウス」とは何か。